はじめに|「ITパスポートって意味あるの?」
「ITパスポートって意味あるの?」
社会人、特に社会人になったばかりの人や文系出身の人にとっては、そう思うのはごく自然なことかもしれません。
かつての私もそうでした。正確に言えば、「資格」というもの全般に対して、関心がほとんどなかったのです。
ですが、結果的にITパスポート(旧:初級システムアドミニストレータ)をきっかけに、自分のキャリアが少しずつ変わっていきました。
本記事では、資格に無縁だった私が、ある日ふとしたきっかけで資格に触れ、「なんとなく」で踏み出した一歩が人生にどんな変化をもたらしたのか、リアルな体験をお伝えします。
資格に興味がある人はもちろん、「自分には資格は無縁だ」と思っている人こそ、読んでいただきたい内容です。
*初級システムアドミニストレータは旧試験区分の名称です。現在はITパスポートへと引き継がれた、情報処理技術者試験の入門資格です。本記事では、ITパスポート(旧:初級システムアドミニストレータ)と表記しています。
ITパスポートという資格との出会い
「資格に興味がある?」いや、そんな大それたことは考えていなかった。ただ、ある日、先輩から「受けてみない?」と誘われた。それが、私の資格取得、すべての始まりだった——。
「資格を取ろう」と意気込んで始めたわけではなかった。
初級システムアドミニストレータ。今ではITパスポートに変わった資格だが、私にとってはすべての始まりだった。
「シスアド取ったんだ。基礎だけどためになるよ。」
前職の先輩が軽いノリで言った。ITに詳しい先輩は、知識を深めることに積極的で、情報処理技術者試験への関心が高かった。
「いやいや、自分には無理ですよ。そもそも初耳です」と笑って流していた。
心の中では、「シスアド?なにそれ?」と「?」マークが飛び交う。調べてみると、情報処理技術者試験のユーザー側の入門資格だとわかった。
「へー、そんな資格があるんだ」くらいのレベルだった。
当時の私は、資格というものをほとんど知らなかった。知っているのは、弁護士や税理士程度。それ以外の資格は知らないし、そもそも関心もなかった。
それからしばらくして、同じ先輩が「セキュアド取るわー」と。
その時も「ふーん」と思いながら調べてみると、どうやらシスアドの上位資格らしい。それでも、特に行動を起こすことはなく、そんな話を聞き流していた。
それからしばらくして、私は転職した。
ITパスポートの勉強開始へ
新しい職場では研修期間が長かった。前職経験があるだけに、少し気持ちにも余裕がある。日々ITの進歩を感じながら、ふと先輩の言葉を思い出した。
「あー、今こそシスアドを勉強してみるか」と。「なんとなく」そう思った。こうして、私の資格へのチャレンジが始まった。
とはいえ、何から始めたらいいんだ。勉強方法も知らず、何をしていいかもわからなかった。しかも、私は大の勉強嫌い。高校も大学も「なんとなく」で受験を乗り切ってきたタイプだった。
それでも、「とりあえず本屋に行けば参考書があるかも」と思い立ち、資格コーナーへ足を運んでみる。そこで目にしたのは、資格コーナーの圧倒的なボリューム!
「資格ってこんなにあるのか…!」と衝撃を受けた。
今思えば、無知すぎて恥ずかしい限りだが、その時はそんなことも思わず、手に取ったシスアドの参考書を購入した。
「とりあえずやってみるか」と。これが私の初めての資格勉強、そして初めての資格試験への始まり。
参考書を開き、試験範囲をざっと眺める。「なんだこれ、聞いたことない単語ばっかり…」「WordやExcelを使えるのとは全然違う話じゃないか…」
ITの基礎知識、システム開発の基本概念、ネットワークの仕組み、企業の情報管理…など、普段の仕事では意識しなかった知識が並んでいた。文系出身の私には、専門用語がやたらと多く感じた。
「カタカナばかりやん…」と思いながらも、「合格率もそれなりにあるし、暗記でいけるだろう」と腹をくくり、短期間で集中して勉強を進めていった。
ITパスポート試験当日|勉強の結果は?
そして迎えた試験当日。人生初の資格試験。
緊張しながら試験会場に入り、周りを見渡すと、若い受験者が多かった。みんな真剣な表情で問題に向き合っていく。
私も負けじと問題を解き進めた。
手ごたえは悪くなかった気がしたが、何せ初めての資格試験。合格ラインも何も知らない。
「まぁ、やるだけやったな」そう思いながら帰宅し、結果を待つことに。
そして結果は、合格!
やはり合格の知らせは嬉しいものだ。社会人になってから試験に挑む機会もなく、あの独特の緊張感と合格の達成感を味わったのは久しぶりだった
「資格って、取れると嬉しいものなんだな」と純粋に思った。
この「なんとなく」から始まった挑戦が「嬉しい」へとつながり、そして「資格って面白いかも」という思いにつながっていった。
私の資格との出会いであり、すべての原点となった。
その後、私は情報セキュリティアドミニストレータに挑戦することとなる。
*情報セキュリティアドミニストレータは、情報セキュリティスペシャリスト試験に統合された後、現在は、情報処理安全確保支援士に後継されています。
まとめ|「ITパスポートって意味あるの?」の答え
「ITパスポートって意味あるの?」——その問いに対して、今の私は「間違いなく意味があった」と言い切れます。
そもそも「資格を取る意味があるのか?」と疑問を持つ人も多いでしょう。でも私の場合は、資格に興味を持つ以前に、「そもそも関心がなかった」というレベルでした。
それでも、「なんとなく」始めたこの資格が原点となり、結果的に自分の人生の価値観を大きく変えていくことになるのです。
今では、ITパスポートに関する練習問題やテキストチェックといった副業にも携わるようになりました。そして、その副業の機会をもたらしてくれたのは、間違いなくこの最初の一歩「ITパスポート(旧:初級システムアドミニストレータ)」の取得です。他の資格や士業との人脈も、すべてはこの原点があったからこそ始まっています。
今振り返って感じるのは、「因果」です。
意味があるのか分からず、ただ「なんとなく」で踏み出した一歩が、後の自分のキャリアに大きく関わるとは、そのときの私は想像もしていませんでした。
「資格に興味がない」「何をすればいいか分からない」——そんな方にこそ伝えたいのです。
「なんとなく」でもいいから、大事なことは、まずは一歩踏み出してみること。
その一歩が、あなたの未来を切り開くきっかけになるかもしれません。私の最初の一歩は、先輩の何気ない一言でした。
あなたの一歩は、どこから始まるでしょうか?
その一歩が、思いもよらない未来へつながるかもしれません。
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