中小企業診断士と簿記2級の先に見えた“独占業務”という選択肢

目次

はじめに|資格を取っても、人生は劇的には変わらない

資格を取れば人生が劇的に変わる——
そう信じて勉強をしてきたわけではありません。

ただ、自分の人生を自分で歩んでいくために
もしものときに、家族を守れる自分であるために
そして、将来の選択肢を少しでも広げておきたいという思いから、中小企業診断士や簿記2級の勉強に取り組んできました。

実際に合格したことで、仕事への理解は深まり、数字を見る視点や考え方にも変化がありました。
「このまま会社に身を預けていて大丈夫なのか?」
そんな漠然とした不安も、少しずつ和らいでいったように思います。

でも、それでもなお、心のどこかに引っかかるものが残っていました。

この記事では、資格取得によって得られた変化と、それでも消えなかったモヤモヤの正体、そして“独占業務のある士業”へと視野を広げていくまでの経緯を振り返ります。

日商簿記などの資格を取ったあとに、次にどう進むかを考えている方にとって、何かひとつでもヒントになることがあれば嬉しいです。

診断士と簿記2級に合格|でも、何かが引っかかっていた

中小企業診断士と簿記2級に合格したとき、新しい視点が増えた感覚があった。

「決算書は会社のストーリーを語るもの」

そんな言葉の意味が、自分の中にしっくりと落ちてきた。数字の裏にある意図や背景が読み取れるようになって、仕事の中でも確かな手応えを感じていた。

資格を取るたびに、新しい視点が増えて、仕事の見え方が変わっていく——。それは間違いなく、自分にとってプラスだった。

でも、それでも、どこか引っかかるものが残っていた。

「このまま会社に身を預けていて、本当に大丈夫なのか?」

仕事は順調だった。会社内での立ち位置も悪くないし、日々の業務に困っているわけでもない。それでも、ふと立ち止まると、会社に振り回されない自分の人生を考えてしまう。

このままで、将来に備えられるのか。そんな思いは、常に心の奥にくすぶっていた。

資格を取っても、未来が保証されるわけじゃない

資格を取ったからといって、未来が保証されるわけじゃない――。

それは、中小企業診断士や簿記2級を取得してなお、モヤモヤした気持ちが残っていた理由でもあった。

たしかに、知識も仕事の視野も広がった。けれど、それで何かが根本的に変わったかというと、そうでもない。社内で資格に関心のある人はごくわずかだし、そもそも勉強していることをオープンにしていたわけでも、資格取得を公言してもいない。だから、評価が爆上がりすることもない。

「このままでも問題ないんじゃないか?」そんなふうに思いかけた自分もいた。

ある時、「簿記2級の知識から決算書をもっと深く読めるようになるにはどうすればいいのか」と、調べていた私は、「士業には独占業務がある」という事実を知った。

そして、

「診断士って、士業なのに独占業務がないんだ……」

そんな現実に気づいてしまった。

資格としてのブランドは確かにある。でも、持っているだけでは何も始まらない。中小企業診断士には弁護士や税理士のような“その資格がないとできない仕事”がない。

つまり、誰でもできる仕事を、ちょっと詳しい人がやっているにすぎないのかもしれない——。

実際はそんなことはないのだが、この時はそんな風にも感じてしまった。

独占業務って何? そして気づいた“士業10選”

独占業務のある資格って、やっぱり強いんじゃないか?

そんなふうに考えるようになったのは、「独占業務」という言葉を知ったことがきっかけだった。

調べてみると、独占業務とは「その資格を持つ人にしかできない仕事」のことだと分かった。

たとえば、

弁護士が法廷に立てるのは、弁護士にしかできないから。

税理士が他人の代わりに税務署へ申告書を提出できるのも、その業務が“独占”されているから。

それまで何も考えていなかったが、当たり前のことに気づいた。「なるほど、だから士業は強いって言われるんだな」と納得した。

さらに調べているうちに、「10士業」という言葉にも出会った。

資格名独占業務の有無主な業務内容
弁護士あり訴訟代理、法律相談
司法書士あり登記申請、供託手続き
弁理士あり特許・商標の出願代理
行政書士あり行政手続きの書類作成
不動産鑑定士あり不動産の鑑定評価
土地家屋調査士あり土地・建物の調査・測量
公認会計士あり財務諸表の監査
税理士あり税務代理、税務書類の作成
社会保険労務士あり労働・社会保険手続き
中小企業診断士なし経営コンサルティング

中小企業診断士もこの中に含まれている。

だけど――

実はこの中で、独占業務を持たない資格は「中小企業診断士」だけだった。

衝撃だった。

「士業なのに、独占業務がない……?」

「つまり、診断士の仕事って、資格がなくてもできるってこと……?」

正直、その事実はショックだった。

もちろん、資格があっても活かせるかどうかは自分次第だ。それは弁護士だろうと税理士だろと、同じだ。

でも、“士業”というカテゴリの中でも、中小企業診断士は立ち位置が根本的に違うのかもしれない。そう感じた瞬間、気持ちは独占業務へと向かっていく。

“選択肢を広げたい”という気持ちの正体

30代半ば、子どもは2人。転勤も経験して、ライフステージは大きく変わっていた。

「このまま会社に身を預けていて、大丈夫だろうか?」

「もし会社に何かあったら、自分は? 家族は?」

そんなことを考える機会が、以前よりも増えてきた。

もちろん、転職や独立を本気で視野に入れていたわけじゃない。ただ、もしものときに「自分の意志で動ける力」を持っておきたいという思いがあった。

仕事に役立て自分の考えをしっかり言葉にできるように、 そして、いざというときに備えておけるように——。

根っこにあったのは、

会社に振り回されず、自分の人生を歩むために。

そんな気持ちだったと思う。

会社も社会も、この先どう変わっていくかは誰にもわからない。 でも、自分の力で未来を切り拓く準備なら、いまこの瞬間からできる。それは、会社をより良い方向へ進めるための力にもなると思った。

だからこそ、資格の勉強もしてきたし、思いだけで終わらせたくなかった。

「何かあっても、ちゃんと動ける自分でいたい。」

それが、自分を突き動かしていたものの正体だった。

おわりに|資格は「備え」としての力にもなる

中小企業診断士や簿記2級に合格し、仕事への理解が深まり、視野も広がりました。それでも気づけば、気持ちは自然と「独占業務のある資格」へと向かっていきました。

資格を取ったからといって、未来が劇的に変わるわけではありません。
けれど、資格を通じて得た知識や視点、そして「自分の人生をどう歩むか」を考える時間は、確かに自分にとって大きな意味がありました。

「万が一のとき、自分の意志で動ける力を持っていたい」

そう思うようになったのも、資格取得をきっかけに、自分の立ち位置や将来と向き合ったからだと思います。
その思いが、やがて“独占業務のある資格”を意識するきっかけにもなりました。

次回は、「この次にどの資格を選んだのか?」というテーマでお話しします。
必ずしも成功例とは言えないかもしれませんが、私の足跡が、資格の選び方や向き合い方を考えるうえで、少しでも参考になればうれしいです。

これからも、引き続き「資格と人生の足跡」を書き残していきます。

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冒頭にも書いている「資格を取っても人生は劇的に変わらない」のフレーズ。でも、少しづつ広がっていきます。

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