システム監査技術者試験を目指したきっかけ|「なんとなく」がつないだ独学でのキャリア

「システム監査技術者試験に挑戦しようと思ったきっかけは何だったのか?」

この記事では、ITパスポートから始まり、セキュアド、上級シスアドと資格を積み重ねてきた私が、なぜシステム監査技術者試験の受験までたどり着いたのかを、リアルな経験とともにお届けします。

特別な目標がなくてもいい。「なんとなく」の連続が、やがてキャリアをつくってくれる。
私自身、すべて独学で学びながら、情報処理技術者試験の入口であるITパスポートから、高度資格とされるシステム監査技術者まで到達しました。

この記事では、そんな「独学×きっかけ」の積み重ねによる私の道のりをご紹介します。

目次

はじめに|上級シスアドの次に、自然と見えた次の一歩

思い返してみると、私の資格取得の始まりは、前職の先輩の何気ないひとことだった。

「シスアド、役に立つよ」

そのときは軽く聞き流していた言葉が、なぜか心に引っかかって、 気づけば初級システムアドミニストレータ(現在はITパスポート)を受験していた。
そして合格。初めての資格取得に、純粋な嬉しさがあった。

その後も、流れるように次の資格へと進んでいった。
セキュアド(情報セキュリティアドミニストレータ)も、 「上位資格らしいし、いけるかも」くらいの軽いノリだった。
それでも、勉強を続けるうちに、「資格が「ただの紙」ではないかもしれない」という意識が芽生えていった。

当時、前職の先輩は営業部門からIT部門へ異動していた。
「もしかして、情報処理技術者としての知識が評価されたのかもしれない」 そんなふうに考えるようになった頃、また先輩から連絡があった。

「今、上シス勉強してる。その先はシス監かな」

「え、上シス?シス監?何それ?」

聞き慣れない資格名に戸惑いつつ、本屋に向かい、情報処理技術者試験の体系図を眺めてみた。
「なるほど…」と腑に落ちる感覚があった。

こうして、私はまた一つ上の資格である、上級システムアドミニストレータの勉強を始めた。

ちょうどその頃、30代に入り、会社でも中堅としての立場になっていた。
仕事で求められる視点も変わりつつあり、「知識がどう仕事に活きるのか」を考えるようになっていた。

そして迎えた上シスの試験当日。以前ほどの緊張はなかった。 「今回は、どんな視点が問われるんだろう」

そんな楽しみすら感じていた。

結果は、合格。

こうして、シスアド→セキュアド→上シスと進んできた。
ふと立ち止まり、「次は何をしようか」と思ったとき、 自然と頭に浮かんだのが、あのとき先輩が口にしていた資格だった。

「シス監かぁ」 そのひとことが、静かに、でも確かに、私の中に残っていた。

実務とのリンクが見えてきた瞬間|システム監査技術者試験へ

上級シスアドの勉強を進めていた頃、私はちょうど社内でシステム導入プロジェクトに関わるようになっていた。
といっても、私はエンジニアではない。いわゆるユーザー側の立場だ。

だから、開発のことや設計の中身までは分からない。けれど、それまでに資格試験で得た知識が、思わぬ形で活き始めていた。

社外のシステム開発会社との打ち合わせに同席する機会が増えた。
最初は、「私が参加しても意味あるのかな」と思っていた。
でも、開発メンバーたちが交わす言葉を聞いているうちに、気づいた。

「あれ?この言葉、セキュアドで見たな」
「この概念、上シスのテキストで出てきた内容だ」

セキュリティリスクの話や、業務フローと要件定義の重要性など、 過去に資格勉強で触れてきたキーワードが、実務の中にそのまま出てくる。

そんなとき、私はふと口を開いた。

「まずは、要件定義に反映させるために、営業部門の意見を整理するのが先決ですよね?」
「業務フローを可視化しないと、システムとして構築できないのでは?」

それは、自分でも気づかないうちに身についていた知識だった。

「資格試験の学びが、そのまま自分の言葉になっているんだな」

知識が、現場で役に立つ。
言葉が、自分の中から自然に出てくる。
それは、ただの試験勉強では得られない感覚だった。

いつの間にか、私は試験に受かることだけでなく、 「仕事の中で使える知識を増やす」ことにも価値を感じるようになっていた。

監査という「別の視点」との出会い

システム導入のプロジェクトに関わる中で、ある打ち合わせの場面でこんな話題が出た。

「このシステム、本当にちゃんと動いてるのかな?
きちんとチェックしないと、後でトラブルになりそうだよね」

そのとき私は思った。

「えっ、導入して終わりじゃないんだ。
システムにも「チェック」や「監査」があるのか」

まるで財務諸表に対して会計監査が行われるように、 情報システムにも監査という考え方がある——そんな発想は、これまでなかった。

本屋の資格コーナーを眺めていたとき、「システム監査技術者」という文字が目に入った。
「これって、まさに今話題に出てた「チェックする役割」じゃないか?」

そして思い出した。前職の先輩の一言。

「上シスか、シス監かな」

その言葉が、今になって意味を持ちはじめていた。

「じゃあ、シス監かぁ」

静かに、でも確かに、そう思った。

キャリアは階段ではなく選択肢の連続だった

思えば、私はこれまでの資格取得を戦略的に考えてきたわけではなかった。

最初のきっかけは、先輩の一言。
そこから、「受かったら嬉しい」という気持ちでセキュアドへ。
「資格ってキャリアにも影響するのかも」と気づいて、じゃあ上シスへ。

「なんとなく」

「次も受けてみようかな」

その繰り返しだった。

でも、振り返ってみると、それが確かに「私のキャリアの選択」だった。

目の前のことに一所懸命取り組んで、
興味を持ったものに手を伸ばして、
気がつけば、少しずつ専門性のようなものが自分の中に積み上がっていた。

それは戦略的に選んだキャリアではないかもしれない。
けれど、意味のある歩みだったと、今は思える

監査の視点は「評価と統制」|システム監査技術者試験の勉強スタート

これまで私が取得してきた資格は、どれもユーザー側の視点に立つものだった。
システムを「どう使うか」「どう活かすか」に重きを置いた内容だった。

でも、「システム監査技術者」の勉強を始めて、初めて視点が変わった。

「システムは、ちゃんと動いているか?」
「設計どおりに運用されているか?」
「不正やリスクの芽が放置されていないか?」

「使う側」から、「評価する側」へ。

それは、これまでとまったく違う立場だった。

さらに、「ITガバナンス」「リスク管理」「内部統制」など、 経営寄りの視点にも触れるようになった。

「ITの学びって、こういう広がり方もするんだな」

そう感じたとき、自分の中に、新しい視点が少しずつ芽生えていたことに気づいた。

まとめ|「なんとなく」のきっかけが、次の自分につながっていた

気がつけば、私はシステム監査技術者まで取得していた。
最初の一歩は、本当に「なんとなく」だった。

先輩に「シスアド、役に立つよ」と言われて、
軽い気持ちで始めた資格勉強。
そこからセキュアド、上シス、そしてシス監へ。

特別な目的があったわけではない。
「面白そう」「勉強したことが役に立った」「次も受かりたい」
そんな思いの積み重ねが、結果としてここまで来ていた。

ただ——。

システム監査技術者という資格にたどり着いたとき、
ふと「これで情報処理技術者試験は一区切りかな」と思った。
そして、自分の中で「ある問い」が生まれた。

「より実用的な資格を考えた方がいいのではないか?」

これまでは、受かることが目的だった。
でもここで初めて、「自分の将来」という視点で、資格を捉えるようになった。

きっかけは、ずっと外から与えられるものだった。
けれどこの時は、自分の内側から問いが出てきた。

そして、その問いが、次の資格へと私を導くことになる。

そう。
このあと私は、中小企業診断士という、まったく別の分野の国家資格に挑戦することになる。

大それた目標がなくても、始めてみれば道はつながっていく。
そしていつか、自然と「これから」を考えるタイミングが来る。

だからこそ、私は今でも思う。

「最初のきっかけって、やっぱり大事なんだな」と

関連記事|合わせて読むならこちら!

『ITパスポート試験の勉強のきっかけ|資格取得のはじまり』はこちら!

『資格取得に目的はいる?|中小企業診断士が導いたキャリアと副業の可能性』はこちら!

『資格を取っても人生は変わらない?|中小企業診断士が教えてくれたキャリアの広がり』はこちら!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次