で紹介する中小企業診断士は、私の資格キャリアに大きな転機をもたらしました。この記事では、それまでの流れと中小企業診断士を含む資格の取得ヒストリーをまとめています。
はじめに|資格って何を取ればいいのだろう?
「資格って何を取ればいいのだろう?」
「資格に興味がある」「資格を取ってキャリアを作りたい」「資格を取って転職したい」「副業したい」「開業したい」など、資格に対する思いは人それぞれです。私の場合は、なんとなく始まった資格取得の旅が、気がつけばキャリアを形づくる大きな要素となっていました。そして、その資格たちが私に新しい景色を見せてくれました。
この記事では、私がこれまでに取得してきた資格と、それぞれの背景や活かし方についてご紹介します。これから資格を目指す方や、自分に合った資格を探している方にとって、ヒントや参考になれば嬉しいです。
私の主な資格取得ヒストリー
私の主な資格取得の順番は以下のとおりです(情報処理技術者試験は取得当時の旧名称も併記しています)。
前職の先輩に「これ、基礎だけど役に立つよ」というひと声がきっかけとなったITパスポート(旧:初級システムアドミニストレータ)。そこから始まり、情報処理技術者試験の上位資格に挑戦することを経て中小企業診断士につながりました。そして今では社会保険労務士を取得し、事務指定講習を受講中です。 これらのパスポートのおかげで、新しい景色を見せてもらっています。
資格は、単なる知識の習得だけでなく、キャリアの大きな武器となります。私は結果として「ヒト・モノ・カネ・情報」のビジネスの4つの柱に関連する資格を取得してきました。資格を通じて知識を体系的に学び、仕事に活かす視点を得ていった流れをまとめます。
ITパスポート(旧:初級システムアドミニストレータ)
資格取得の第一歩。ITの基礎知識を体系的に学ぶことで、ITリテラシーの基礎用語や考え方への理解が深まりました。当時は何気なく受けた資格が、その後の学びの土台になりました。 当時は初級システムアドミニストレータでしたが、今はITパスポートです。私にとっては、ここがスタート地点としてまさに「パスポート」でした。
*初級システムアドミニストレータは旧試験区分の名称です。現在はITパスポートへと引き継がれた、情報処理技術者試験の入門資格です。

情報セキュリティアドミニストレータ
情報管理やセキュリティ意識の高まりを感じ、取得。ウイルス対策、アクセス管理、リスク対応など、今では当たり前の知識ですが、当時この視点を持てたことで、情報管理に対する意識が大きく変わった資格です。
*情報セキュリティアドミニストレータは旧試験区分の名称です。情報セキュリティスペシャリスト試験に統合された後、現在は、情報処理安全確保支援士に後継されています。
上級システムアドミニストレータ
難易度は一気に上がります。このあたりから、「仕組みを理解する」だけでなく「ユーザー側に視点で全体を設計・運用する」視点へとシフト。IT戦略や業務改善にも踏み込めるようになり、資格取得を公言していませんでしたが、プロジェクトで意見を求められる場面が増えてきました。
*情報処理技術者試験の旧制度の資格です。「利用者側において、業務の中でどのように情報技術を活用すべきかについて判断するために必要な知識・技能をもち、情報化リーダーとして業務改革・改善を推進する者」と定義されていました。情報処理技術者の旧試験区分では、当時の高度情報処理技術者で最高のレベル5の区分の一つであった。
システム監査技術者
こちらも難易度は一気に上がりましたが、ガバナンスや内部統制、監査の視点はとても新鮮でした。これにより、「現場を見るだけでなく、全体を俯瞰して問題を見つけ改善提案する力」が身につきました。経営におけるITガバナンスの重要性も理解できました。

中小企業診断士
IT系の資格を通して「情報」に強くなった私が、次のステップに選んだのは「経営の視点」でした。取引先とのやり取りが増える中で、「もっと広い知識が必要だ」と感じ、中小企業診断士に挑戦。
経営戦略、財務、組織論、マーケティング、経営法務などを幅広く学び、「経営者の立場で考える」という思考が身につきました。懇談でも、会社員でありながらも「経営の視点」から発言ができ、相手から信頼される場面が増えたのを実感しています。
「とりあえず資格を取る」から、「資格を実務で活かす」へとスタンスが変わったのも、中小企業診断士がきっかけでした。そして、中小企業診断士取得後から士業の人脈が広がっていきました。それは、社内や業界の枠にとどまらず、視野や思考、知識を広げていくことにつながっています。私にとっての大きなターニングポイントです。

日商簿記2級 & 日商簿記1級
中小企業診断士の資格をさらに活かすためにも、「財務の視点の強化が重要」と感じ、日商簿記へ。2級では基本的な財務諸表の構造を、1級では管理会計や連結会計まで深く学びました。経営分析や原価計算の視点が身につき、取引先との会話にも自信を持てるようになりました。

第1種衛生管理者
資格手当の支給を狙って取得。結果的に支給の対象とはなりませんでしたが、労働安全衛生の知識を体系的に学ぶことが出来たことは有益でした。「ヒト」の健康・安全に関わる知識は、業種を問わず役立ちます。
宅地建物取引士
「モノ」に関わる資格。もともとは宅地建物取引士も資格手当の支給を狙って取得。そして、資格手当の支給につながりましたが、数年後に支給停止となりました。しかし、結果的に不動産に関する法律・取引実務などを学べたことは有益です。実務経験がなくても、資格学習を通じて不動産の基礎知識を得られるのは、取引先が不動産を持っていることを考慮すると、大きな強みになります。
ネットマーケティング検定 & マーケティングビジネス実務検定
営業部門からPR部門への異動にあたり、Web時代の情報発信や顧客接点を考える中で、「マーケティングだけでなくデジタルマーケティングも必要だ」と感じて取得。デジタル広告、SNS、プロモーション設計などを学び、PR活動や宣伝戦略の立案に活きています。
ウェブ解析士
マーケティング施策の効果測定や、デジタルマーケティングの改善や分析力を高めるために取得。Googleアナリティクスなどのツール活用を通じて、数値に基づいた改善ができるようになりました。
社会保険労務士(社労士)
2025年4月現在において最新の取得資格です。働き方改革、労務トラブル、社会保険制度など、企業の「ヒト」に関わる領域に専門性を持つ資格で、企業の人事・労務分野でのコンサルティングやセミナー講師などにもつながると考えています。
将来的には中小企業診断士と社会保険労務士のダブルライセンスで、経営と労務の両面から中小企業を支援することを目指しています。


キャリア形成と資格のつながり
ここまで紹介した資格は、それぞれが単体で意味を持つだけでなく、組み合わせることで「相乗効果」を発揮してきました。
「ヒト・モノ・カネ・情報」を軸に、それぞれの知識を積み重ね、繋ぎ合わせていくことで、自分の強みが見えてきたと感じています。
「知っている」だけでなく「活かせる」知識が増えることで、社内でのポジションが変わったり、周囲からの期待や信頼も変わってきたのではないかと思っています。
まとめてみると、以下になります。
- 全般 : 中小企業診断士
- ヒト : 社会保険労務士・第1種衛生管理者
- モノ : 宅地建物取引士・ネットマーケティング検定・マーケティングビジネス実務検定
- カネ : 日商簿記1級・2級
- 情報 : 初級システムアドミニストレータ・情報セキュリティアドミニストレータ・上級システムアドミニストレータ・システム監査技術者・ウェブ解析士
おわりに|資格が導く新しい景色へ
私は資格を取ったことで、少しずつ視野が広がり、考え方が変わり、キャリアに選択肢が増えていきました。
もちろん、資格を取った瞬間に何かが劇的に変わるわけではありません。でも確実に、知識が道を切り拓き、出会いやチャンスを引き寄せる場面が増えていきました。
これからもまだ旅の途中です。新しい景色を見に行くために、次の挑戦に向かっていきたいと思っています。
資格は、単なる証明書ではありません。
それは、人生の可能性を広げる「パスポート」です。
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