資格を取っても人生は変わらない?|中小企業診断士が教えてくれたキャリアの広がり

「資格を取っても、人生は劇的には変わらない」

これは、中小企業診断士をはじめ、いくつもの資格を取得してきた私が実感した正直な気持ちです。

ですが、資格はただの「証明書」ではありません。知識が増え、視野が広がり、そして、少しずつ価値観が変わっていく。その積み重ねが、気づけばキャリアや人生の広がりにつながっていました。

だからこそ、私の実感はこうです。

「資格を取っても、人生は劇的には変わらない。でも、少しずつ広がっていく。」

本記事では、ごく普通の会社員である私が、情報処理技術者試験からスタートし、中小企業診断士・社会保険労務士までステップアップし、副業にも挑戦するに至った道のりを、リアルな体験をもとに綴っています。

資格を取ることが「最初の一歩」だとすれば、その後の歩みをどう進めるかによって、新しい景色が見えてくる。
資格がもたらすのは、一瞬の劇的な変化ではなく、静かに広がっていく「キャリアの可能性」なのだと──今の私は、そう確信しています。

目次

はじめに|ITパスポートから資格取得の世界へ

今では資格を活かして副業や開業を視野に入れていますが、最初からそんな未来を描いていたわけではありません。
むしろ、「資格を取っても本当に役に立つのか?」 と半信半疑の状態からスタートしました。

当時の私は特に大きな不安を抱えていたわけではありませんでしたが、人口減少や、安泰と思われる企業でも経営が傾く可能性があることを見て、「このまま会社に頼っていて大丈夫なのか?」「何かあった時に家族を養えるのか?」と考えるようになりました。

そんなことを考えながら時は流れ、ある時転勤を経験し、「会社に依存せず、自分で自分の人生を歩むにはどうすればいいのか?」という視点を持つようになりました。
とはいえ、最初からストイックに勉強し続けていたわけではなく、興味があるときに学び、しばらくダラダラ過ごし、また学んでみるか…。そんな波を繰り返しながら、資格取得に取り組んできました。

資格との最初の出会いは、前職の先輩が「これ、基礎知識だけど役に立つよ」と勧めてくれたITパスポート(当時は初級システムアドミニストレータでした。
実際に学んでみると、「なるほど、確かに役に立つ」と感じる部分が多く、その後、同じ先輩が情報セキュリティアドミニストレータを取得したのを見て、私も挑戦しました。
これが、私が2つ目に取得した資格です。

このようにして、私は資格取得の世界に入りました。

ITパスポートから情報処理技術者試験へ|資格取得は当初はただのゴールだった

私が初めて資格を取ったのは、前職の先輩に勧められたITパスポート(当時は初級システムアドミニストレータでした。
当時の私は、資格に対して特に興味があったわけでもなく、「弁護士や公認会計士、税理士などの有名資格は知っているけど、それ以外の資格ってどんなものがあるの?」くらいの認識でした。
情報処理技術者試験の存在も、そのとき初めて知ったくらいで、資格そのものに対して無関心だったのです。

そんなとき、先輩が「基礎知識だけど役に立つよ」と私にも勧めながら、ITパスポート(当時は初級システムアドミニストレータの資格を取得しました。
「へぇ、そんな資格があるんだ」と軽く聞き流していました。数年後、転職した際に「取ってみようかな?」と軽い気持ちで受験を決めました。
合格したときも、特に深く考えることもなく、「資格に合格すること=目的達成」という感覚でした。

この時点では、「資格が何かの役に立つ」という実感もなければ、「仕事に活かせる知識を得る手段」だとも考えていませんでした。

情報処理技術者試験受験|「次の資格も取ろう」理由はそれだけだった

その後、その先輩が情報セキュリティアドミニストレータを取得したと知りました。
特に勧められたわけではなかったのですが、試験を調べてみるとITパスポート(当時は初級システムアドミニストレータ)よりも難易度が高そうでした。
当時の私は、「資格を取ることがゴール」 だと考えていたので、「ならば、自分も取ろう」 というシンプルな動機で受験しました。

こうして、最初は「ただ合格すること」 だけを目的に資格を取っていました。
この頃は、資格を取ったからといって仕事の仕方が変わるわけでもなく、「あ、勉強した用語だ」くらいの感覚 で、特に意識して仕事に活かそうとも思っていませんでした。

資格と仕事、そして世の中がつながり始めた

しかし、あるとき仕事でシステム導入のプロジェクトに関わることになり、外部のシステム会社と打ち合わせをする機会が増えました。

その場で説明される専門用語や仕組みについて、「なんか知ってる知識だな」「あれ?これ、勉強したことがある内容じゃないか?」 と思うことが増えていきました
さらに、「こういうこともできるのではないか?」と考えられるようになった自分に気づきました。

周りの同僚はチンプンカンプンな様子でしたが、資格の勉強をしていたおかげで、私はその場の話についていくことができました。

この頃には、すでに上級システムアドミニストレータ、続いてシステム監査技術者も取得していったので、
知識のベースがあり、システムの仕組みをイメージしながら話を聞けるようになっていました。

この経験を通じて、初めて「資格と仕事ってつながっているんだ」 と実感しました。知識があることで、社内での自分の立ち位置や発言の説得力が変わることを感じ始めたのです。

ただ、この時点では、まだ「資格を活かしてどう動くか」までは考えていませんでした。
むしろ、「資格を持っていると仕事に役立つんだ」 という感覚のほうが強く、それならばとさらに上位の資格にも挑戦するようになっていきました。

どんな資格を取ってきたのか?

資格を取るほど、知識が整理され、考え方が変わっていった

初級システムアドミニストレータ、情報セキュリティアドミニストレータ、上級システムアドミニストレータ、システム監査技術者と徐々に難易度を上げて取得する中で、資格を通じて知識を体系的に学ぶことの大切さを実感するようになりました。

それまでは、業務の中で得た知識が点在している状態でしたが、資格の勉強をすることで、バラバラだった知識が整理され、つながっていく感覚がありました。

その結果、もともと社内で「論理的だ」と言われていた思考が、さらに磨かれるようになり、仕事の場でも「知識+論理的思考」を求められ、プロジェクトへの関わりが増えていきました。

この時点でもまだ「資格を活かす」という意識はなかったものの、「勉強すれば、さらに理解が深まる。せっかくだし、次の資格も取ってみようか」という気持ちが芽生え、次の資格へとつながっていきました。

ここで私の保有資格を紹介

ビジネスの基盤となる「ヒト・モノ・カネ・情報」
私は、結果として、この4つを体系的に学び、キャリアを積み上げてきました。

IT・システム関連

  • ITパスポート(当時は初級システムアドミニストレータ)
  • 情報セキュリティアドミニストレータ
  • 上級システムアドミニストレータ
  • システム監査技術者

システム会社との打ち合わせや業務効率化の提案時に、知識が活きる場面が増えた。

ビジネス・経営関連

  • 日商簿記1級・2級
  • 宅地建物取引士
  • ウェブ解析士
  • マーケティングビジネス実務検定
  • ネットマーケティング検定

IT以外の知識も取り入れ、より実務に活かせるようになった。

人事・労務・コンサル関連

  • 中小企業診断士
  • 社会保険労務士
  • 第1種衛生管理者

経営者や個人事業主との打ち合わせ時に、専門知識をもとにした会話ができるようになった。

中小企業診断士を取得しようと思った理由

システム監査技術者まで取り終えてしばらくして、「経営全般を学べる資格があるらしい」と知り、取引先に中小企業や個人事業主がいることを考えると役立つかもしれないと思い、中小企業診断士の勉強を始めました。

「経営の広い視点を持つことで、打ち合わせでもより深い話ができるようになるのでは?」
そう考える一方で、試験について調べると「これはなかなかの難関資格だな…」と尻込みしたのも事実です。

しかし、「これは自分の脳との戦いだ!」 と自分に奮起を促し、「どこまでできるのか試してみよう」という気持ちで挑戦しました。

中小企業診断士を取得して変わった、仕事との向き合い方

資格を取ったからといって、すぐに劇的な変化があったわけではない

資格を取れば何かが変わる、そう思っていたわけではないですが、最初のうちは「とりあえず取っただけ」で、日々の仕事に大きな変化はありませんでした。

ただ、資格の勉強を続けるうちに、自分の考え方や仕事への向き合い方は少しずつ変わっていった のは確かです。特に感じたのは、当時は資格取得を公言していませんでしたが、「専門的な知識を持っていると、社内での自分の立ち位置が変わる」ということ。

資格が社内でのブランディングにつながる

資格を取ったことで、会議や打ち合わせの場面で、「なんとなく詳しい人」 として見られるようになり、発言に説得力が増していったのを感じました。

この頃はまだ資格を取得したことを公言していたわけではありませんが、話が通じる場面が増えたことで、周囲から「この人は知識がある」と思われるようになったという感覚です。

例えば、システム導入のプロジェクトに関わったとき、以前ならただの参加者だったのが、資格で得た知識をもとに意見を求められるようになったり、「詳しそうだから、これについてどう思う?」と話を振られることが増えていきました。

これは、資格を取る前にはなかった変化です。

特に、中小企業診断士を取得してからは「経営視点で話せる人」として扱われる場面も増えたと感じています。

また、取引先との雑談の中でも、「ここだけの話ですが…」と専門的な話やちょっとした業界ネタを聞ける機会が増え、情報通になった実感もあります。
これは、自分の知識が広がったからこそ、相手も「話が通じる」と感じて、深い情報を共有してくれるようになったのかもしれません。

資格を取得しても、すぐに人生は変わらない

資格を取得したことで仕事の幅が広がる感覚はありましたが、「将来的に、副業や開業という選択肢もあるんだな」と思うようになったのは、もう少し後の話です。

当時は、資格を持っていることを公言することもほとんどなく、中小企業診断士を取得してからも、親しい同僚や話の分かる取引先に話す程度でした。

そのため、「資格を活かして独立しよう」と考えていたわけではありません。
ただ、年を重ねる中で、「会社員としての働き方だけがすべてではない」という考えが芽生え始め、「副業や開業という道も選択肢のひとつなのかもしれない」という意識が芽生えていきました。

この辺りの話は、また別の記事で詳しく書こうと思います。

この積み重ねが、士業に手を出すきっかけになった。

資格を取ることで、知識が増え、社内での立ち位置が変わっていった。
その積み重ねの結果、「専門性を持つ資格=士業」にも挑戦してみるかという考えにつながりました。

前述のとおり、中小企業診断士へ挑戦しました。もちろん、士業を取ったからといって、すぐに独立を目指したわけではありませんが、中小企業診断士を取得したことで「こういう道もあるのか」と視野が広がったことは確かです。

こうして少しずつ、「資格を取るだけではなく、その先を考える」という意識が芽生え始めました。

結局、資格はツール。どう使うかは自分次第

資格を取ることで、「知識」や「信用」は得られるかもしれない。
でも、それをどう活かすかは、自分の行動次第。

私自身、資格を取っただけで仕事が劇的に変わったわけではありません。
しかし、資格をきっかけに、「専門的な視点を持てるようになった」「社内での立ち位置が変わった」のは間違いありません。

だからこそ、これから資格を取る人には、
「資格を取ることがゴールではなく、そこからどう動くかが大事」
ということを伝えたいと思っています。

資格は人生を変える魔法ではない。でも、視野を広げるきっかけにはなる

資格を取ることで、すぐに人生が劇的に変わるわけではありません。
私自身、資格を取ったからといって仕事が大きく変わったわけではありませんし、最初はただ「合格すること」が目的でした。

でも、資格を取ることで、知識が整理され、仕事の場面で活かせることが増えるのは確かです。
また、実生活の中で「知ってる」「勉強した知識がここで役に立つ」という瞬間が増え、「勉強してよかったな」と実感することもあります。

資格を取る前は深く考えていませんでしたが、実際に取った後になって「知識が増えている」「思っていた以上に役に立つ」と感じる場面が増えていきました。

資格を取ることで、キャリアの選択肢は確実に広がる

資格を持っていることで、社内でのブランディングができたり、専門的な会話ができるようになったり、ちょっとした雑談から得られる情報が増えたりします。

私自身、資格を取る前は「資格を取ることが目的」でしたが、取った後で「知識が活かせる場面がある」と気づくようになりました。

また、年を重ねるにつれて、「資格があれば、副業や開業という道もあるんだな」ということを意識するようになりました。

資格を取ること自体がゴールではありませんが、「いつか使うかもしれないツール」 として、持っておいて損はありません。

実際、資格を取ったことで得られたチャンスはたくさんあります。
そして、そのチャンスをどう活かすかは、結局は自分次第です。

選択肢は広がっていた。でも、それに気づいたのは後になってから

資格を増やしていく中で、知識が蓄積され、仕事で使える場面が増えていくのを感じるようになりました。

特に、異動で新しい部署に就いたとき、「これまでの資格の知識が仕事に直接つながっていると気づく瞬間がありました。

このとき初めて、「資格の知識ってこれほど使えるのか?」と思うようになり、「知識をどう活かせるか?」という視点を持つようになりました。

つまり、最初から選択肢を広げようと思って資格を取っていたわけではなく、後になって振り返ったときに、「すでに選択肢は広がっていた」と気づいたというのが正しい感覚です。

(※異動の話については、また別の記事で詳しく書きます。)

行動しなければ、何も変わらない

資格を取ることで、視野が広がることは間違いありません。でも、その資格をどう活かすかは、結局「行動するかどうか」 にかかっています。

私自身、資格を取り始めた頃は、ただ試験に合格することが目的でした。でも、仕事で資格の知識が役立つ場面が増えたことで、「知識を活かすことで仕事の幅が広がるかもしれない」という考えが生まれました。

何か特別な出来事があったわけではなく、資格を取る中で少しずつ可能性が広がっていったという感覚です。そして、今の行動につながっています。

おわりに|これから資格を取る人へ

資格がすべてではありません。
でも、何もしなければ、何も変わりません。

「何かを変えたい」「新しいことを学びたい」と思ったときに、資格の勉強は、その第一歩としてちょうどいい手段になることもあります。

そして、その一歩が、思いがけない未来につながることもあります。

だから、資格を取ろうか迷っているなら、とりあえずやってみるのもアリです。
「やらなかった後悔」より、「やってみた結果ダメだった後悔」のほうが、ずっと価値があるはずです。

私自身、そうやって一歩ずつ進んできました。
そして今も、次の一歩を考えています。

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